オピニオン  
 
統一地方選挙のサプライズ
 
   先月は4年に1度の統一地方選挙が行われ、東京23区でも多くの自治体で区長選挙および区議会議員選挙が実施された。大抵の区長選挙は現職が強いものだが、特に投票率が低い区部では、組織力に支えられた現職が順当に勝利を収める傾向にある。また、現職の引退によって生じる新人同士の争いでも、ほとんど自民党と公明党が推薦する候補者が勝利するものだ。実際に今回の区長選では、敗れた現職はいない。
 区長選は順当な結果になったものの、区議選にはサプライズがあった印象だ。そもそも区議選には、何十もの候補者が立候補するのに対し、有権者が投票できるのは1名。名前が知られている議員などそうはいないものだから、一般的な有権者からしてみれば、誰か1名に絞って投票するのはなかなか難儀する。その間隙を縫ったのが、今回大きく議席を伸ばした「NHKから国民を守る党」だ。
 同党は元NHK職員の葛飾区議が党首として率い、NHK受信料不払いを訴える。非常に分かりやすい政策だが、住民生活に直接関わるものではないだろう。しかし、インパクトのあるフレーズやSNSを用いた活動により知名度が向上し、躍進した。2013年に設立したばかりの同党が、区議選で17人を当選させたのは驚異的と評価するほかない。
 もう一つサプライズといっても良いのが、杉並区議選で初当選した中核派出身の女性区議だ。以前取材をしたことがあるのだが、ルックスは可愛い女性で(主張は過激だったが)、選挙受けしそうな印象だった。同区は元々、住民自治の意識が高いこともあって、リベラル派の政治家に票が集まりやすい傾向にはある。当選する可能性は十分あると思ってはいたが、余裕綽々で当選したことにはちょっと驚いている。
 区議には住民の様々な意見を反映する義務がある。どのような思想を持とうと、住民のために汗をかいて欲しいと思う。

(2019年5月10日掲載)
前後のオピニオン
「医師の働き方改革」の影響
(2019年5月17日掲載)
◆統一地方選挙のサプライズ
(2019年5月10日掲載)
日比谷野外音楽堂の演奏
(2019年4月26日掲載)