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活発化する「骨太方針」議論
 
   「骨太方針」の策定に向けた議論が活発化している。今回は19年度〜21年度までの社会保障費に関する歳出計画を盛り込む方針で、財務省はすでに、医療保険の給付率を自動的に調整する仕組みの導入といった改革メニューを掲げている。その中で薬剤費抑制策に関しては、19年度が診療報酬改定や薬価改定の無い「裏年」に当たるためか、現時点で目新しい検討項目は俎上に載せられていない。
 財務省が提案する医薬品関連の改革項目は主に、▽費用対効果評価の保険収載の可否への活用▽薬剤自己負担の引き上げ――の2項目。このうち費用対効果評価については、原価計算方式で算定される新薬への活用を義務付け、費用対効果の悪い新薬に関しては、保険収載を見送るか、薬価全体について償還可能な価格にまで引き下げる仕組みとするよう提言する。
 厚労省の社会保障審議会・医療保険部会の議論ではすでに、「現時点では費用対効果評価を試行導入している段階だ。試行導入の結果の検証や課題の抽出・整理などを十分に行うことが必要」といった牽制の声が相次いでいる。厚労省も保険収載の可否への活用には慎重なスタンスだ。薬剤自己負担の引き上げも従来から財務省が主張してきたテーマであり、目新しさは無い。
 薬剤費抑制策の新たな目玉が出ていない中で、「医療保険給付率の自動調整」が特に話題を集めている。人口減少や平均余命の伸びといった社会情勢に合わせて年金の給付水準を自動的に調整する「マクロ経済スライド」を参考に、医療費の伸び率や賃金の上昇、現役世代の人口減少などに応じ、一定のルールに基づいて自己負担を調整する仕組みだ。しかし、日本医師会や保険者団体などは難色を示しており、実現に向けたハードルは決して低くない。今年の「骨太」では、どのような改革項目が歳出抑制の柱になるのだろうか。

(2018年5月7日掲載)
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