オピニオン  
 
ケロリン
 
   寒くなってきた、銭湯の季節だ。近所の一軒に入る。これぞ銭湯といった、ありふれた風情。お決まりのマッサージ機、浴場の富士山、風呂桶はケロリン……ケロリン?銭湯には付き物の黄色い風呂桶。内外薬品の解熱鎮痛薬「ケロリン」の広告桶だ。しかし、それ以上のことは何も知らない。風呂上がりに調べてみた。
 インターネットで「ケロリン」と検索する。最上位に表示されたのは「ケロリンファン倶楽部」。ファンクラブがあるのか!と仰天したが、正体は内外薬品の特設サイトだ。広告桶についても紹介している。
 サイトによれば、広告桶の登場は東京オリンピックの前年(1963年)頃で、当初は白色だった。現在でも、年間4〜5万個が納入されているらしい。面白かったのは、関東と関西でサイズが異なる点。全体的に関東の方が大きくなっている。「ケロリングッズ」なるコンテンツの存在にも驚いた。広告桶と同じデザインのストラップやタオル、スリッパなどが販売されている。ケロリン(の広告桶)のブランド化がここまで進んでいたとは!
 「銭湯で子供が蹴飛ばしても、腰掛けにされてもビクともしない。驚異的な強さから、別名『永久桶』とも」とはサイトの説明。日本の伝統(?)の一つとして、今後とも末永く続いてもらいたい――そんなことを考えていたら、すっかり湯冷めしてしまった。ああ、そうか、それで解熱鎮痛薬……。

(2017年12月15日掲載)
前後のオピニオン
「財政ファースト」改革の及ぼす影響
(2017年12月22日掲載)
◆ケロリン
(2017年12月15日掲載)
子が歓迎される社会に
(2017年12月8日掲載)