オピニオン  
 
理解の促進
 
   掌蹠膿疱症という皮膚疾患は、手のひらや足の裏に小水疱や無菌性膿疱を生じる疾患で、水疱や嚢胞は痂皮化し、かゆみや痛みを伴う。さらに30%程度の患者には前胸部痛などの骨関節症状があらわれることもある。同じく皮膚疾患である乾癬と比較すると自然消退もありうるものの、10年以上症状が続く人も存在する。患者数は日本で約15万人おり、皮膚科ではコモンディジーズに入るという。
 これまで掌蹠膿疱症に対する有効な治療法はなく、ステロイド外用や活性型ビタミンD3外用といった、乾癬に用いる治療法を対症療法として用いてきた。そして昨年、掌蹠膿疱症の適応で初めて生物学的製剤が承認を取得した。
 患者さんの話によると足の裏の皮膚はひび割れを起こすため普通に歩くこともままならない状態になる。手の症状は痛みだけでなく、人から見られるという問題もあって、手袋をした状態で過ごさなければならない。そのうえで、「痛みは我慢すればいい」「何も知らない人が見てびっくりするのも無理はない」といい、「いつもそばにいる家族が理解することが大切」と強調していた。
 治療薬が患者さんを勇気づけることは間違いない。しかし、理解が進むことも同じくらい大切だ。患者さん本人だけでなく周りの人にも、理解が促進されるよう情報を届けていかなければならない。

(2019年1月11日掲載)
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(2019年1月18日掲載)
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(2019年1月11日掲載)
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