オピニオン

1月の話題

 毎年1月は、業界団体やメーカーなどが賀詞交歓会や新年会を催している。今年も色々な所に顔を出したが、新春の明るい話というよりは、国や業界の先行きに対する不安の声を多く聞いた。この不安の原因となった昨年の話題といえば、海外についてはイギリスのEU離脱問題やアメリカ大統領選挙におけるトランプ氏勝利の話題が大きな衝撃を日本にも与えた。来るその影響の大きさは全く想像がつかない。日本では、いわゆる高額薬剤費問題、緊急薬価改定、毎年改定など、薬価の話題に振り回された。「先が見えない」との多くの声に、わが身についてもこの1年無事に過ごしていけるのだろうかと不安がよぎる。
 とはいえ、前向きな話もいくつかあった。その1つは、OTC医薬品に係る「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」の話題。関係者の悲願となっていたこの制度が、今年ようやくその1歩を踏み出した。制度を「しっかり育てていかなければならない」との声には力があり、期待感に満ちていた。また、バイオインダストリー協会は設立30周年の今年、新たな表彰事業をスタートすることを発表した。欧米と比べ、その遅れが指摘されてきたバイオ分野だが、こうした新たな取り組みが起爆剤となり、業界が飛躍することに期待したい。今年も既に1ヵ月が過ぎた。気が早いのだが、来年の賀詞交歓会ではどのような話題が多く出るのか、今からもう気になっている。



(2017年1月27日掲載)



前後のオピニオン

A LIFE
(2017年2月3日掲載)
◆1月の話題
(2017年1月27日掲載)
一年の疲れを癒すには
(2017年1月20日掲載)