オピニオン

検査薬のスイッチ化に高まる期待

 一般用検査薬の拡大を巡って業界団体の期待が高まっている。厚労省は4月以降に薬事・食品衛生審議会の医療機器・体外診断薬部会で、検査薬のスイッチ化に関するスキームの構築に向けた作業に着手。年内には仕組みを固めて運用を開始したい考えで、政府の規制改革会議でも、厚労省の動きを後押しするスタンスを鮮明に打ち出した。
 「官邸サイドからの働きかけが無ければセルフメディケーションは前に進まない」――。ある業界関係者はこのように解説する。スイッチOTC薬化の促進に関しても、従来は厚労省が進めてきた施策だが、日本医師会の反対を受けて頓挫した。しかし、政府の産業競争力会議が成長戦略の一環として掲げたことにより、スイッチ促進の機運は再び高まりつつある。前述の関係者は「厚労省と業界団体の間で調整する従来の手法はもう通用しない」として、セルフメディケーションを推し進めるカギは、政治・行政サイドの姿勢にあると指摘する。
 一般用検査薬の拡大に合わせて、薬局での自己検査など医行為に抵触するかどうかが不明瞭な、いわゆる「グレーゾーン」の解消に向けた動きも進みつつある。高脂血症治療薬「エパデール」のスイッチ化以降、停滞した感のあるセルフメディケーションの普及が、にわかに活気づいてきたようだ。



(2014年3月28日掲載)



前後のオピニオン

疑惑を見る目
(2014年4月4日掲載)
◆検査薬のスイッチ化に高まる期待
(2014年3月28日掲載)
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(2014年3月21日掲載)