オピニオン

コロナ禍での都知事選

 新型コロナウイルスの問題で都民の関心は薄いように思うが、東京都知事選が7月5日に投開票される。 
 投開票の1月前となれば、例年ならば政策論争や公約に関しての議論が活発となるものの、新型コロナの影響で、盛り上がりはない。一方で、小池知事はコロナ対策の陣頭指揮に立っていることで、露出度を飛躍的に高めており、すでに再選は当確との雰囲気すらある。今後の感染状況に関係なく、候補者は街中の選挙運動を控えざるを得ない面もある。ただ、今回の選挙は小池都政への評価に加え、都のコロナ対策の妥当性や今後の東京の方向性、延期が決定した五輪・パラリンピックへの対応などを問うものでもある。
 都知事選には既に、元日弁連会長の宇都宮健児氏やNHKから国民を守る党の立花孝志党首らが出馬を表明しているが、主要政党の動きは鈍い。自民党は独自候補の擁立見送りを決定し、立憲民主党などの野党系の統一候補擁立は難航している。自民・立民ともに小池知事とは因縁があり、本音では独自候補を擁立したいのだろうが、現時点では上手くいっていない。
 今回の知事選の最大の争点はコロナ対応となると思うが、もちろんそれだけではない。この4年間の都政では、豊洲市場を巡る騒動や五輪の延期など様々なことがあった。都知事選にかかる費用は約50億円だ。このご時世では難しい面があるかもしれないが、一都民として、候補者にはこれまでの総括と東京の未来について論戦を交わしてもらい、コロナ後のビジョンを示してほしい。



(2020年6月5日掲載)



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(2020年6月12日掲載)
◆コロナ禍での都知事選
(2020年6月5日掲載)
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