オピニオン

不安は負担?

 2年前に生まれて初めて入れた銀歯が最近になってズキズキするので、近所のクリニックで診てもらったところ、銀歯の中が傷んでしまっているため作り直すことになった。1回や2回の治療で完了するものではないらしく、しばらくは貴重な休日を通院に費やさなければならないと思うと今から気が重くなる。
 2年前に銀歯を入れる前は、奥歯がしばらく痛んではいつの間にか治まっているというのを繰り返しており、治療に行くのを伸ばし伸ばしにしていた。ところが食事中に激しい痛みとともに奥歯が砕けてしまい、半ばパニックになりながら歯科に転がり込んだところ、虫歯が随分とひどい状態になっていたそうだ。
 その時にお世話になった歯科は無痛治療を掲げており、看板通り治療自体に痛みを感じることはなかった。ただ、こちらとしては数年ぶりの歯科に緊張しているし、大きく開けた口に機械を入れられて大きな音を立てられれば、痛くなくとも険しい顔をしてしまう。おかげで歯科医に何度も「痛いですか。痛くないですよね」と念を押されてしまった。何か言い返そうかとも思ったが、痛くないのは確かだし早く治療を終わらせたい気持ちもあるので、「大丈夫です」と答えるほかなかった。
 患者負担とはよく言うが、経済的な負担もあれば、治療の痛みや制度上の手間など、様々な側面がある。心理的な不安も負担に含まれるのだろうが、私の場合だと「お前は臆病なだけだ」と叱られるだろうか。



(2014年7月25日掲載)



前後のオピニオン

攻撃は最大の防御
(2014年8月1日掲載)
◆不安は負担?
(2014年7月25日掲載)
政策誘導としてのGE加算
(2014年7月18日掲載)