オピニオン
今まで通りの自分
アボットジャパンは今年2月、持続グルコースモニタシステム「FreeStyleリブレ2」を発売した。同機器は1分毎にグルコース値を測定することで糖尿病の日常の自己管理をサポートするもの。新機能として、スキャン不要でリアルタイムにスマートフォンへグルコース値を表示し、血糖トレンドを「見える化」したことに加え、低血糖や高血糖の検出を補助するためのアラート機能を追加した。
同機器の新発売記念発表会では青山学院大学 駅伝部 監督の原晋氏が登壇し、「血糖トレンド大作戦」なる作戦を考案。「血糖トレンドを点ではなく線で捉えることが大事」とアピールし、大いに盛り上がった。
会の中では、同機器を利用している患者の声が印象に残った。「リブレは自分の血糖値を可視化できる唯一の手段。自分の生活にとってかけがえのない一部」と述べた上で、「この病気とうまく付き合って、趣味のランニングを続けていきたい。病気だからといって何かをあきらめなければいけない、何かを食べてはいけないということは一切ない。血糖コントロールさえすれば今まで通りの自分でいられるということを伝えたい」と訴えた。
糖尿病に限らず、病気にかかることは決してポジティブに捉えられるものではない。しかし生活をサポートするツールによって、QOLが上がり、「今まで通りの自分」でいられるということは、患者によって何にも代えがたいことだ。現在、多くの企業がウェアラブルデバイスを用いた開発などを進めている。改めて技術革新に期待したい。
(2024年5月17日掲載)
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