オピニオン

学生の選択肢

 致死的ではないもののQOLに重大な影響を及ぼす疾患がある。「起立性調節障害」(OD)はそんな疾患の1つで、その患者の多くは10代の若者だ。循環器系の自律神経の調節に不調をきたし、立ちくらみやめまい、頭痛といった症状が出るのだが、重症例では、日中、特に午前中に起き上がることが困難になる。世間一般の認知度は低く、“甘え”や“さぼり”としてみられることも多い疾患だ。
 今年3月、「子どもの輪-起立性調節障害を当事者から広める会」が主催し、当事者が本音を語り、参加者からの質問に答えるイベントが横浜市庁舎の「市民協働推進センター」で開催された。ここでは、ODに対して前向きに取り組んでいるものの、進級や進学に深刻な影響が出ていることが赤裸々に語られた。自身が学びたいレベルの学校を選ぶことが難しいなど、当事者の努力だけでは解決できない問題があることを改めて認識させられた。
 ODに限らず、病気で思うように学校に通えなくなった事例はまだまだある。小児・AYA世代のがんはその代表例だろう。学生の立場にある患者が学業を継続するためには、医療や学校といった関係者の協力が不可欠だ。定時制や通信制、チャレンジスクールという選択肢もあるが、新型コロナを経験した今、全日制を希望する学生に対してもオンラインを活用した対応を検討することも可能ではないだろうか。未来ある若者が希望をもてる選択肢が少しでも増えることを望む。



(2026年5月1日掲載)



前後のオピニオン

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