オピニオン
うまくやろうとするな 気持ちが大事
“うまくやろうとするな 気持ちが大事 一番”――ファンであるソロアーティスト「Summer Eye」が、世の中に初めてリリースした歌の、はじまりの言葉だ。彼は10年以上続けてきたオルタナティブ・ロックバンド「シャムキャッツ」が解散し、もう一度音楽を生業にするか悩み、豆腐屋に転職することまでを考えた上で、再び音楽を作る道を選んだ。1stシングルのタイトルは「人生」。ミドルテンポのボサノヴァにアシッドハウスを取り入れた、心地よい温度感の先駆的なリズムと、そのリズムを素直に泳ぐ行間の美しさに、私自身、しばらくご無沙汰になっていた「音楽を聴き、体感する喜び」が、再び鮮やかに色づいた。
ライブで彼は、客席の中央に作った小さなステージセットで演奏し、時にフロアへ降りて、客の間を縦横無尽に踊りながら歌いまわっている。本人がクラブミュージックに精通していることもあるだろう、彼はリズムに本能を預け、ステージと客席との隔たりをひらりと飛び越え、ライブに集まった全員と音楽が溢れる楽しさを祝福するかのようにみえる。奇をてらうのではなく、次世代の音楽フォーマットをナチュラルに構築していこうとする意欲を感じるのだ。
現在、Summer Eyeは、明治「チューブでバター1/3」のCM歌唱や、2月下旬より放送開始するWOWOW「ながたんと青と―いちかの料理帖―2」の主題歌を担当するなど、徐々に活躍の場を広げている。これから気軽にライブが観られなくなる日も来るだろう。私自身も“うまくやろうとするな 気持ちが大事 一番”を信条に、記者として精進していきたい。
(2026年2月6日掲載)
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