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OTC類似薬の保険給付見直し

 政府は3月13日の閣議で、医療保険制度改革に関連する健康保険法などの一部を改正する法律案を決定した。最大の焦点となるのは、OTC薬と成分や効能が似ている医療用医薬品、いわゆる「OTC類似薬」の薬剤費の一部を保険給付外とする制度改革だ。対象となる医薬品の薬剤料の4分の1を給付外とし、患者に「特別の料金」を求める「一部保険外療養」として新設する。イメージとしては長期収載品の選定療養に近いものの、厚生労働省は患者が希望した場合に発生する「選定療養」との名称を使っておらず、保険外併用療養費制度の「新類型」と説明している。
 「選定療養」は患者の選択によって特別の料金を支払うことで、保険診療と保険外診療を併用する仕組みであり、長期収載品の選定療養は、処方された医療用医薬品に後発医薬品があるにもかかわらず、医療上の必要性などに関係なく、患者が後発品ではなく先発医薬品を希望した場合に追加負担が生じる。24年10月から先発医薬品と後発品の価格差の4分の1相当が「選定療養」の対象となり、昨年の大臣折衝では後発品のさらなる使用促進を図る観点から、価格差の2分の1相当に引き上げた。
 一方、OTC類似薬の保険給付見直しを巡って厚労省は、「長期収載品で求めているような別途の保険外負担(特別の料金)を求める新たな仕組みを創設」と説明。対象範囲については、OTC薬と成分・投与経路が同一で1日最大用量が異ならない医療用医薬品を機械的に選択した77成分約1100品目と設定した。特別の料金は対象薬剤の薬剤料の4分の1。セルフメディケーションに関する国民の理解や、OTC薬に関する医師・薬剤師の理解を深めるための取組み、スイッチOTC化に関する政府目標の達成に向けた取組みなどの環境整を進めるとともに、27年度以降に対象となる医薬品の範囲の拡大や特別な料金の引き上げを検討する方向性も打ち出した。ただ、小児やがん・難病患者、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用などが医療上必要と考える人への配慮も検討する。政府は新たな制度について27年3月の施行を目指す考えだが、配慮が必要な人への措置などは告示段階で明らかになるものと見られ、まだまだ不透明な部分も少なくない。



(2026年3月20日掲載)



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(2026年3月20日掲載)
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