オピニオン
治療と職業生活の両立
「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」は7月2日、報告書案を概ね了承した。同検討会は、2月から計7回にわたり、有識者のヒアリング等を通し、両立に係る問題点の抽出を行ってきた。その中で、繰り返し出てきた問題の一つが「職場の理解」である。
疾病により長期療養が必要ということを報告した後日、解雇を言い渡されるケースも珍しくない。また、通院するためには会社を休まなければならず、有給休暇を使いきった後の通院は欠勤せざるを得ないことも多いそうだ。また、「職場の理解」には患者自身も含まれる。つまり、自身のキャリアの不利になるため、病気を隠し、治療を中断するケースも多いそうだ。まずは、病気を言いだせる職場の風土づくりが必要だと指摘する声もあった。
そこでポイントとなるのが「上司」だ。労働者が病気になった場合、相談する相手で最も多いのが「直属の上司」とのアンケート結果が示された。大企業でも、産業医に相談する労働者は少ないという。この上司の理解度が、患者の職業生活を大きく左右するそうだ。一方で、病気の理解を上司に求めるべきではないという考えもある。検討会でも、そこまで上司に求めたのでは「マネジメントに負荷がかかりすぎる」との意見もあった。
厚労省は、まずは実態調査を実施するとしている。しかし、利益を求める企業と、療養を求める治療とが両立できる道はあるのか。想像以上に道は険しいのではないかと感じる。
(2012年7月13日掲載)
前後のオピニオン |
◇誰の匙加減 (2012年7月20日掲載) |
◆治療と職業生活の両立 (2012年7月13日掲載) |
◇NB、PBの価値創造 (2012年6月29日掲載) |