オピニオン

「保険証復活法案」衆院に提出

 立憲民主党は1月28日、「保険証復活法案」(マイナ保険証併用法案)を衆院に提出した。政府は昨年12月2日をもって、紙の健康保険証の新規発行を停止し、マイナ保険証への一本化を推進した。武見敬三厚生労働大臣(当時)が、参議院厚生労働委員会で「マイナ保険証の利用率に関係なく、12月に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する」と述べたことは、以前のオピニオンでも取り上げた。
 個人的には、従来の健康保険証を継続すべきだと考えており、同様の考えを示す人も多かったと記憶している。しかし、立憲民主党が保険証復活法案を提出すると「デジタル化に逆行する」といった批判が多く現れた。マイナ保険証への一本化を断行しようとすればその反対意見が現れ、保険証復活法案が提出されるとその反対意見が強くなる。SNSなどでは、より大きな声のほうに影響されやすいということだろうか。私が、従来の健康保険証を継続すべきと考えているのは、リスク回避のためだ。健康保険証も自動車運転免許証も別々にあったほうが、紛失したときのリスクが軽減される。実は先日、財布を落とした。拾った人が神様のような人だったので、幸い無事に戻ってきたが、一般的には戻ってこないことのほうが多いのではないか。私は基本的に財布にはお金しか入れていないが、落とした財布の中に健康保険も運転免許証も年金手帳もすべてが集約されたマイナンバーカードが入っていたら、考えるだけでも恐ろしい。



(2025年2月7日掲載)



前後のオピニオン

2025年度中間年改定
(2025年2月14日掲載)
◆「保険証復活法案」衆院に提出
(2025年2月7日掲載)
希少疾患や難病と向き合う
(2025年1月31日掲載)