オピニオン

「歴史的大勝の先にあるもの」

 2月8日に投開票が行われた第51回衆議院選挙は、自民党と日本維新の会(維新)の与党が大勝した。自民党は告示前の198議席から316議席まで大幅に議席を増やし、衆議院総定数465議席の3分の2に当たる310議席も上回り、維新と合わせると352議席を獲得。文字通りが「歴史的大勝」と言える投票を得た。昨年10月に発足した高市早苗・総理による決断は、国民から支持される結末を迎えた。一方で、与党の大勝を生み出してしまった野党、特に最大野党であった立憲民主党、前・与党の公明党がタッグを組んだ中道改革連合は、惨敗を喫するかたちとなった。既に様々なメディアにおいて敗因が分析されているところであるが、やはり準備不足に尽きるだろう。さて、歴史的大勝で高市内閣の今後の政策に視線が注がれる。与党は選挙前の公約で、消費税の減税等を盛り込んだ。2月10日の閣議後会見で上野賢一郎・厚労相は、「総理から、発足予定の社会保障制度改革国民会議において、スケジュールや財源のあり方など、その実現に向けた諸課題の検討を進めていく旨の発言があった」とし、厚労省としても、「必要な社会保障サービスが必要な方に提供されるということが大事で、社会保障制度を安定的に運営していくという観点が重要だ」と語った。言わずもがな、社会保障費は毎年過去最高額を更新し続けている。維新との連立合意の際にも盛り込まれたOTC類似薬の保険給付のあり方については、自己負担の見直し(特別の料金)を設定することとしたが、自民党の圧倒的な状況を迎え、どのような着地をみせるか不透明と言える。さらに薬価制度改革については、これまで毎年改定を実施してきた自民党の勝利により、「風向きが良くなることは考えにくい」(薬剤師議員関係者)という。この他にも高額療養費制度の見直しや、改正薬機法の順次施行を控え、そのいずれも国民・患者、医療関係者に大きな影響を与える。歴史的大勝の先に何があるのか、これまで以上に有権者が政治を厳しくチェックする必要があるといえそうだ。



(2026年2月20日掲載)



前後のオピニオン

「隠喩としての病い」
(2026年2月27日掲載)
◆「歴史的大勝の先にあるもの」
(2026年2月20日掲載)
冬季五輪は史上初の複数都市開催
(2026年2月13日掲載)