オピニオン

トランプ氏の再来

 11月5日に投開票された米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ前大統領が女性初の大統領を目指した民主党のカマラ・ハリス副大統領に圧勝した。トランプ氏は選挙結果を左右すると言われたアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネヴァダ、ノースカロライナ、ペンシルヴェニア、ウィスコンシンの7つの激戦州すべてで勝利。トランプ氏は全米の選挙人の過半数の270人を超える312人の選挙人を獲得することになり、226人だったハリス氏に大差をつけた。事前の世論調査では大接戦が予想されていたので、このような結果になるとは全く思わなかった。
 ニュースで見る限りだと、トランプ氏は選挙戦で物価高を批判して、不法移民の急増で治安が悪化し雇用が奪われたと主張していた。バイデン政権への有権者の現状の不満を上手く捉えたということだろう。また、経済政策を重視してその中身も分かりやすいものだったと思う。一方でハリス氏はバイデン大統領との差別化ができなかったことや、民主党が重視する多様性を尊重する政策が有権者に伝わりづらかったことが敗因になるのだろうか。
 米国で大統領が退任後に返り咲くのは、132年ぶり2人目となるという。今後トランプ氏はウクライナ支援や中東情勢などにどう対応していくのか。さらに議会上院・下院でも共和党が多数派を占めるのかも注目される。



(2024年11月15日掲載)



前後のオピニオン

「緊急避妊薬の試験販売を巡る現場の懸念」
(2024年11月22日掲載)
◆トランプ氏の再来
(2024年11月15日掲載)
性に対して向き合えるように
(2024年11月8日掲載)