オピニオン

最近のドラッグストア

 近所に新しいチェーンドラッグストアが出来た。2階建てで売り場も広く、品揃えも充実している。近辺のスーパーやコンビニはもちろん、他のドラッグストアにとっても競争相手が増えたわけだ。そこまで考えて気がついた、「最近ドラッグストアの出店が続いている」。駅前にも新しいドラッグストア、パチンコ屋の跡地にもドラッグストア……。
 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の統計によれば、ドラッグストアの業界規模は右肩上がりだ。2016年度の総売上高は約6.5兆円(前年度比5.8%増)で、店舗数は1万8874軒(同395軒増)にのぼる。なるほど、これでは筆者の地元に出店が続くのも無理はない。高齢者が多い地域なので、ドラッグストアならではの働きにも期待したいところ……と言えば、どこかで聞いた話だ。
 「高齢社会」「ドラッグストアが備えるべき役割・機能」ときたら、本紙の読者にはお馴染みのJACDS謹製「次世代ドラッグストアビジョン」である。この段に至って、筆者の実生活と「ビジョン」の理想は同一次元に溶け込み、新たなリアリティをもって今後の取材にも熱が入るというわけで、近所の新店舗には感謝しかない。
 感謝の印に足を運べば、これまでとは違った世界が見えてくる。「休憩コーナーに自動販売機、これが『ビジョン』にあった『ドラッグストアカフェ』か」「店内の手元照度は500ルクス以上が確保されているな」……等々。進化を続けるドラッグストアだが、それゆえに役割・機能の全貌を知ることは難しい。知らなくては利用も出来ない。これは今後の宿題だろう。



(2017年6月30日掲載)



前後のオピニオン

先発品も、後発品も
(2017年7月14日掲載)
◆最近のドラッグストア
(2017年6月30日掲載)
市民活動を政策へ
(2017年6月23日掲載)