オピニオン

『ストップ・ザ・ヒアリ』

 最近、“ヒアリ”に関する報道をよく見かける。なので既にご存知の方も多いだろうが、ヒアリとは、南米原産のいわゆる“蟻”。体長は2.5~6mm程度で、体色は主に赤茶色。本来は日本にいないはずの蟻なのだが、攻撃性が強く、なおかつ有毒とたちが悪い。これが今年に入ってから兵庫県尼崎市や神戸市などで相次いで見つかったことから、大騒ぎとなっているわけだ。
 医療的な観点から言えば、ヒアリの毒はアルカロイド毒。刺された場合には、患部は熱感を伴う非常に激しい痛みを覚え、水疱状に腫れ、その後、膿が出るという。また、毒に含まれる成分に対してアレルギー反応を引き起こすケースがあり、局所的または全身にかゆみを伴う発疹の出現やアナフィラキシー症例も報告されている。アナフィラキシー症状を引き起こした場合、アドレナリンを注射するなど適切な救急処置をとる必要があるが、ヒアリの毒には蜂の毒との共通成分も含まれているので、蜂に刺されたことのある人はさらに注意が必要だ。
 ヒアリ対策については、行政機関からも注意喚起がなされているが、実は最近に限ったことではない。何と2009年に、環境省から『ストップ・ザ・ヒアリ』なる冊子がまとめられ、当時から警鐘が鳴らされていた。この冊子、ヒアリ対策について本当によくまとめられているので、是非一読し、周りにもお勧めして欲しい。



(2017年7月21日掲載)



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(2017年7月28日掲載)
◆『ストップ・ザ・ヒアリ』
(2017年7月21日掲載)
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(2017年7月14日掲載)