オピニオン  
 
新スイッチ化スキームと「OTC離れ」
 
   先月の下旬に厚生労働省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」が開かれ、学会や個人などからスイッチOTC化が要望された候補成分を評価する新スキームが本格的に動き始めた。会合では5成分が議題となり、このうち緊急避妊薬は適正使用の担保を懸念する意見などがあがったため否決された。国内ではスイッチ化されていない分野のOTC薬であり、薬剤師が職能を発揮する上で新たなツールになると期待していたので、この結果は残念に感じた。
 緊急避妊薬を巡り会合では、すでにスイッチ化されており、経口避妊薬の服用率も高い米国などと比べ、日本は避妊に関する知識や経験が十分ではないとして、「スイッチ化は時期尚早」との声が多く挙がった。日本薬剤師会の委員からも、要指導医薬品は3年後にネット販売が可能な第1類医薬品に移行することから慎重姿勢が示され、最終的に積極的な賛成意見が出されることなく、スイッチ化の妥当性は否決された。
 議論の中で印象的だったのは日本女性薬剤師会の委員が「薬局がきちんと販売するかという心配がある」と発言したことだ。今後も緊急避妊薬だけでなく、PPIや認知症進行抑制薬など、消費者からの注目を集めそうな成分が候補に挙がっている。それらが全てスイッチ化されるかは不透明だが、議論が進むにつれて今まで以上にOTC医薬品の存在感が高まってくるだろう。その時に薬局の「OTC離れ」までクローズアップされないように、今から対応が必要ではないか。

(2017年8月18日掲載)
前後のオピニオン
手外科
(2017年8月25日掲載)
◆新スイッチ化スキームと「OTC離れ」
(2017年8月18日掲載)
処方せん集中率と調剤報酬
(2017年8月4日掲載)