オピニオン

ボランティアという力

 各地で甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害。どのような災害でもそうだが、被害に見舞われた方々の事を考えると胸が痛い。こうした中、多くのボランティアの方々が被災地に入り、大きな力になっている。ボランティアとしての協力の仕方も様々で、土砂の撤去や洪水の後片付けといった力仕事だけではなく、各地から送られてくる支援物資の仕分けや被災した子どもたちの面倒をみるなど、あまり力を必要としない手伝いもあるということで、女性や学生の参加も多く見られるという。
 火事場泥棒を働くような不届き者も全くいないわけではないが、こうした被災時に、ボランティアが駆け付け、被災者の力になることが当たり前のように行われている今の日本の状況を誇らしく思う。もちろん、医療関係者などプロフェッショナルの力も忘れてはならない。既に多くのプロたちが、これまでの災害の経験を活かして現地で尽力している。ただ、報道を見ていて気になった点が1つ。国のお偉い方が会見で「ボランティアの力を最大限に活用して・・」といった趣旨の発言をしていた点。何の意識もない発言なのだろうが、もし国が、国政に携わる人たちが、善意というものをあてにし、こうした危機管理体制の中に組み込んでいるのであれば、それはあまりにも危うい。



(2018年7月27日掲載)



前後のオピニオン

BS生産の担い手は
(2018年8月3日掲載)
◆ボランティアという力
(2018年7月27日掲載)
ルーキー、ベテラン、そして主力
(2018年7月20日掲載)