オピニオン

次世代ヘルスケア・システム

 我が国経済の再生に向けた政策会議の1つに、“未来への投資”の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化について審議する「未来投資会議」がある。実は最近までこの会議のことを全く知らなかったのだが、ここで検討されている議題・戦略をみてみると、無人自動運転による移動サービスの実現やらエネルギー転換・脱炭素化、農林水産業の現場でAI・ロボット等の社会実装推進など、昭和の時代にはSFとして扱われていたようなテーマが、今まさに実現されようとしている、そんな内容だった。
 もちろん、我々になじみの深いテーマが盛り込まれており、「次世代ヘルスケア・システムの構築」が重点分野に位置づけられていた。ここで描かれている内容が実現していけば、2020年度には個人の検診や診療、投薬情報が医療機関などの間で共有できる全国的な保健医療情報ネットワークが本格稼動するし、個人の健康状態や服薬履歴などが確認できるパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)に基づく本人への情報提供が行われるという。未来はこうなっていくのか、などと感心して議題を眺めていたが、オンラインでの医療に関して、「時期以降の診療報酬改定における有効性・安全性を踏まえた評価」とのリアルな記述をみて、心の中で急速に未来感はなくなった。



(2018年6月15日掲載)



前後のオピニオン

成人年齢が18歳に
(2018年6月22日掲載)
◆次世代ヘルスケア・システム
(2018年6月15日掲載)
英雄と暴君
(2018年6月8日掲載)