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MID-NET利用料「ケタが違うのでは」
「ケタが一つ違うのでは……」安全対策を統括する製薬メーカーの役員が、ため息交じりでこう漏らすのは、厚生労働省が公表した「医療情報データベース」(MID-NET)利用料のことである。製薬企業が製造販売後調査に「MID-NET」を活用する場合、1品目あたりの利用料は4212万3000円(消費税込み)となる。この料金設定に、先ほどの製薬メーカー役員は「ちょっと手が出せない」と付け加えた。
先日、医薬品企業法務研究会(医法研)月例会に厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課の岩瀬怜・副作用情報専門官が登壇し、MID-NETについて講演を行った。岩瀬専門官は、この価格設定について「ちょっと高いとは感じる」とコメントしたが、MID-NETを利用料で運営していくには、これくらいの料金設定が必要となる旨を説明。加えて、企業が新たに臨床試験を組むよりは、時間もコストもかからなくて済むとも述べた。
MID-NETの実施主体はPMDAだが、PMDAが設定する各種の利用料金は、総じて「高い」との指摘がある。薬事戦略相談料然り、テレビ会議利用料然り。薬事戦略相談料については、患者団体の人が国会議員に意見を求めたが、その国会議員は「うん、うん」と笑いながらスルーしていたのを思い出す。利用料でシステムを回すには、製薬企業から料金をいただくのが妥当という考えなのだろう。それにしても、今回の「MID-NET」利用料は高すぎる気がする。
(2017年9月22日掲載)
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