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受動喫煙対策の「例外」は?

 先月から通常国会が開幕した。私としては昨年から継続審議扱いとなっている「臨床研究法案」が気になるが、「健康増進法」改正案の行方も密かに目が離せない。医療機関や学校、飲食店など、様々な施設で受動喫煙防止対策を強化するもので、喫煙禁止場所の範囲を定め、違反者には罰則も適用される。タバコ税の引き上げだけでなく、法律からも喫煙者はプレッシャーをかけられることになりそうだ。
 健康増進法の改正案で厚生労働省は、受動喫煙による健康への影響を特に受けやすい学校や医療機関などを「敷地内禁煙」とし、それ以外の施設は利用者の特徴などに応じて「屋内禁煙」と「屋内禁煙だが喫煙室の設置可」に分類。違反した場合には都道府県知事が勧告・命令を行い、改善されなければ罰則を適用する。飲食店は「屋内禁煙だが喫煙室の設置可」に該当するものの、小規模な店舗では喫煙室の設置が難しいことに配慮し、バーやスナックなど未成年が利用しないような施設を例外として喫煙を認める案があがっているようだ。ラーメン屋は未成年の利用が想定されることから例外に含まれなさそうだが、よく行くお店の大将にこの話題を振った時、「ラーメン屋は憩いの場だから禁煙になるのは困る」と呟いていたのが印象に残っている。
 もちろん、自分の煙が誰かの健康を害しているのであれば、受動喫煙対策の強化に異存はない。一方でタバコが嗜好品として認められているのだから、喫煙する権利に対して寛大な措置をお願いできないものかという気持ちもある。今後さらに活発になるであろう「例外」を巡る駆け引きに注目したい。



(2017年2月17日掲載)



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