オピニオン  
 
薬系大学の入試動向
 
   以前は教育に特化した広告代理店業務に携わっていた。入試本番を迎えるこの時期は例年、センター試験を終えた受験生に対して、一般入試に向けた出願促進の施策を行っていた。時には新聞広告で、時にはダイレクトメールで、もちろん箱根駅伝も認知度アップにつながる重要なイベントの1つ。受験生にさまざまな大学のことを知ってもらい、できれば担当大学のファンになってもらえるよう尽力した。
 特に薬科大、薬学部を有する大学を長く担当したが、ここ数年、薬系大学はやや厳しい状況が続いている。ベネッセ・コーポレーションによる2018年度の学問別志望者動向によると、薬学系統の対前年指数は「96」。同社が考えるダウントレンドの要因の1つに、「薬剤師国家試験の合格率低下」が挙げられている。昨今は試験問題の難化も耳にするが、とはいえ、薬剤師養成が6年制に変わった2012年度と比べると、国試の合格率は20ポイント近く低下しているそうだ。
 11月7日の厚科審・医薬品医療機器制度部会で、ある委員が「薬剤師の教育システムが変わった時点で、薬剤師のあり方は『臨床家としての薬剤師』に変わった」と発言した。医薬品医療機器等法の改正に当たっては、新しい時代の薬剤師をサポートしなければいけない、という趣旨だった。
 薬剤師のあり方を巡っては、制度部会の議論の中でさまざまな意見を聞く。もちろん肯定的なものばかりではない。しかしこれから地域包括ケアシステムの中心となって、住民の健康を担っていく薬剤師の役割は大きい。どうか若者が使命感を抱き、夢や希望を持って薬剤師を目指すことができますよう、と願いながら、今年も入試動向を追っていきたい。

(2018年11月23日掲載)
前後のオピニオン
消費税率引き上げをめぐるあれこれ
(2018年11月30日掲載)
◆薬系大学の入試動向
(2018年11月23日掲載)
浸透
(2018年11月16日掲載)