オピニオン
ユーザーを欺く事例
新潟県の発表によると、2016年度に首都圏、関西圏の小売店及びインターネットで「平成28年産・新潟県産コシヒカリ」として販売されていた米についてDNA分析を実施したところ、9.6%で県産コシヒカリ以外の品種が混入していたことが明らかになった。最近でこそ、様々な品種の米が各地域のブランドとしてアピールされるようになり、消費者にも受け入れられるようになったが、新潟県産コシヒカリといえば言わずと知れた米界のトップブランド。当然、多品種と比べて価格もそれなりになるだけに、あってはならない話ではあるが、今回のようなユーザーを欺く事例は以前から存在していた。
表示と中身が違うという意味では、このほど発生したC型肝炎治療薬の偽造医薬品問題。流通や薬局・薬剤師の姿勢など、様々な問題がクローズアップされたが、患者の命に直結するだけに、米の話題とは比較にならないほど悪質な問題だ。命を救うための医薬品を偽造し、流通させることは、ある種の殺人的行為であり、もしそのような偽造品を自分や周りの人たちが使うことになってしまったらと思うと本当に恐ろしい。こうした問題に対しては、エンドユーザーに出来ることは限られている。関係各所には徹底的にその防止・撲滅に向け動いていただきたい。
(2017年5月15日掲載)
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◇MRの熱意は重視されない? (2017年6月2日掲載) |
◆ユーザーを欺く事例 (2017年5月15日掲載) |
◇奇妙な光景 (2017年5月12日掲載) |