オピニオン

iPS細胞の実用化が迫る

 2月19日に開催された薬事審議会「再生医療等製品・生物由来技術部会」において、虚血性心筋症による重症心不全を対象とするクオリプスの「リハート」と、パーキンソン病を対象とする住友ファーマの「アムシェプリ」の「条件及び期限付き承認」が了承された。いずれもiPS細胞由来の再生医療等製品で、実際に承認されれば、iPS細胞を使った製品の世界初の実用化に向けた大きな1歩となる。
 iPS細胞は、京都大学の山中伸弥教授が2006年に世界で初めて作製に成功した人工多能性幹細胞で、再生医療の分野をはじめ、病気の原因の解明や新薬開発などに活用できると考えられている。画期的な技術ということで大きな期待が寄せられていたのだが、その誕生から20年、ようやく実用化のめどが立ったことは本当に嬉しく思う。
 今後、更なる展開が期待されるiPS細胞になるが、山中教授が理事長を務めている「京都大学iPS細胞研究財団」が、iPS細胞の実用化を目指す研究の支援を行っていることはご存じだろうか。財団では、iPS細胞を活用した治療法が開発されるよう、iPS細胞や製造技術を良心的な価格で企業や大学に提供している。ただ、2023年以降は財団への公的資金が大幅に減額されたということで、広く寄付を呼び掛けている状況だ。この寄付は税控除の対象でもあるし、今回の2製品の実用化によって財団の活動が注目され、支援の輪が広がって欲しいところだ。



(2026年3月6日掲載)



前後のオピニオン

社会保障国民会議が開催
(2026年3月13日掲載)
◆iPS細胞の実用化が迫る
(2026年3月6日掲載)
「隠喩としての病い」
(2026年2月27日掲載)