オピニオン
遺伝子検査サービス開始後1年
株式会社DeNAライフサイエンスが、運営する遺伝子検査サービスが今年8月に提供開始から1年を迎えたということで会見を開いた。サービスの発売当初は、疾病や体質などを網羅した最大280項目もの検査結果を提供するということもあり、近年のセルフメディケーションの認知度向上とも相まって、各方面で大きく取り上げられたことは記憶に新しい。
このサービスで提供している情報は、あくまでも統計的な傾向を示すものであり、健康状態や疾患の診断を下すような医療行為ではない。ただ、自身の遺伝的な傾向を知るだけなのではあるが、その後の健康意識が向上し、健康を維持するための行動につながることには意義がある。
元々自分の健康に関心が高い人だからサービスを利用したのでは、という見方もあるのだろうが、同社が公表したユーザーから実際に寄せられた声として、同サービスの結果を受け、検診を受けるようになったところ早期のがんが見つかった、という事例もあり、自身の健康に向き合う機会を得るという観点から侮れないサービスだと感じた。
会見では、次の展開として、自治体との取り組みや大学・企業との研究が本格化するという話も進んでいるとのことで今後も注目だ。なお、関係者が最も関心を寄せていたサービス開始後1年間における利用者数が公にされなかったことについては残念だったのだが、いずれ公表されることに期待したい。
(2015年9月18日掲載)
前後のオピニオン |
◇毎年10月は「臓器移植普及推進月間」 (2015年9月25日掲載) |
◆遺伝子検査サービス開始後1年 (2015年9月18日掲載) |
◇人文社会系学部は不要か (2015年9月11日掲載) |