オピニオン
近視進行予防元年
近視予防フォーラムは9月17日、新体制を発表した。新たに代表世話人となった森紀和子氏(麹町大通り眼科・院長)は、2025年を「近視進行予防元年」と位置づけ、「近視進行予防宣言」を唱えた。2025年を「近視進行予防元年」としたのは、日本初となる近視進行抑制点眼剤「リジュセアミニ点眼液」(一般名=アトロピン硫酸塩点眼液)が承認され、発売開始となったことによるもの。森氏は、日本においては近視が低年齢化、強度近視化が進んでおり、早期発見・早期治療開始の必要性をうったえた。また、近視予防としては、1日2時間以上、週14時間以上の外遊びが有効だと強調した。同フォーラムの前代表世話人である坪田一男氏(坪田ラボ代表取締役社長)は、近視は生活習慣病の一つであり、とくに運動が重要だと指摘。近視の原因の一つに目の虚血があり、運動することによって虚血が解消されるのだという。
近年、視覚に対する研究開発が進んでいる。近視進行抑制治療を目的としたソフトコンタクトレンズ「マイサイト ワンデー」も日本初の承認を取得した。米国では老眼に対する治療薬も承認されている。また、新体制発表会では「近視進行予防コンソーシアム」創設の発表も行われ、同コンソーシアムの参画企業であるロート製薬では、近視に対する治療薬のほか、プログラム機器を開発中であり、メガネブランドJINSでおなじみのジンズホールディングスも近視進行抑制メガネ型医療機器を開発中であるという。近視および老眼に悩む筆者としては、心強く感じている。
(2025年9月26日掲載)
前後のオピニオン |
◇新診療科名に「睡眠障害」 (2025年10月3日掲載) |
◆近視進行予防元年 (2025年9月26日掲載) |
◇SaMDへの期待 (2025年9月19日掲載) |