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エパデールのスイッチに反発強める日医

 高脂血症治療剤「エパデール」のスイッチOTC化を巡り、日本医師会が反発を強めている。10月28日に開催された日本医師会の臨時代議員会では、約2年間にわたってスイッチ審議に反対し続けてきた鈴木邦彦常任理事が、「生活習慣病分野のスイッチOTC化を多数決で強行する企てだ。到底承服できない」と語気を強めたほか、代議員席からも薬剤師の職域拡大に懸念を示す声が挙がった。
 それに先立つ25日、日本薬剤師会の児玉孝会長は会見で、「日本医師会にはご理解を求めていかなければならない。これまでの活動では努力不足だと思っている」との認識を提示。セルフメディケーションの推進に向けては、「なかなか医療機関を受診しない方もたくさんいる。セルフMは地域医療を進める上での1つの手段であり、医師との連携は不可欠だ」と語る。
 しかし、こうした薬剤師側の主張が、日医サイドに伝わるかどうかは疑問の余地がある。最大の要因としては、「OTC薬をきちんと扱ってこなかった薬局・薬剤師にある」(厚労省関係者)と位置付ける見方が強い。28日の代議員会終了後、鈴木常任理事は本紙に対し、「(厚生労働省や日薬は)セルフMが地域医療の進展に向けた"医師と薬剤師の協働作業"と言っているが、実際にそのような事例を聞いたことがない。むしろ薬剤師の職域を拡大するため、"薬局によるセルフM"ではないのか」と吐き捨てるように呟いた。



(2012年11月2日掲載)



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(2012年11月9日掲載)
◆エパデールのスイッチに反発強める日医
(2012年11月2日掲載)
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(2012年10月26日掲載)