オピニオン

カオスな都知事選

 東京都知事選の投開票が7月7日に行われ、現職の小池百合子氏が約291万票を獲得し、石丸伸二氏、蓮舫氏らに大差を付けて3選を果たした。投票率は60・62%で、前回選挙を5・62ポイント上回った。石丸伸二氏の予想外の躍進や、蓮舫氏の惨敗など見どころのある選挙戦だったと思うし、投票率が向上したことは喜ばしい。一方で今後、選挙制度自体の在り方が問われる事態も多く発生し、カオスな選挙戦でもあったように思う。
 まず過去最多の56人が立候補し、選挙ポスターの掲示板の掲示枠が足りなくなるという事態が発生。さらに選挙と無関係な人物や動物のポスターが大量に張られた。掲示板を見て驚いた有権者も多かったのではないか。過激な政見放送も目につき、YouTubeなどのフォロワーにつなげることを目的に、選挙を売名や金もうけに利用しようとする候補者が多数いた。
 何らかの規制や対策が必要との指摘はあるものの、現行の公職選挙法では想定されていなかった事態であるため、具体策は今のところないのが現状だ。ただ、選挙の自由と言論の自由は守られなければならない。過剰な規制をしてしまっては、本末転倒でもあると思う。選挙における自由と規制とのバランスをどう考えるかは非常に難しい。個人的には何らかの規制は必須ではあると思うが、今後公選法改正につながるかも含めて注目していきたい。



(2024年7月19日掲載)



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(2024年7月19日掲載)
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