オピニオン
市民活動を政策へ
ファイザーでは毎年、市民団体が行う活動および研究に対する助成「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援~」という取組みを行っている。2016年度の助成対象となった監獄人権センター(代表:海渡雄一氏)の「中堅世代の刑事被拘禁者向け医療相談事業」について、海渡氏の講演を聴く機会があった。
同センターでは刑務所の被拘禁者の人権問題に関する活動を行っている。寄せられた医療相談の中には重度の体調不良を訴えても作業を休むことを許されず、そのうえ懲罰を課せられ、ようやく外部の医療機関を受診できたときには進行期のがんが見つかったという深刻なケースもあったという。
講演の中で最も印象的だったことは、海渡氏が「刑務所に入っている人を罪人だと思ったことがない。受刑者も普通の人であり、何かの間違いで罪を犯しても罪を償った後は健康に社会復帰する権利があるだろう」と述べたことだ。私は受刑者と話したことはないが感銘を受け、さらに、刑務所ではない一般社会における貧困などの問題にも通じることなのではないかと感じた。人の権利を奪うことのできる権利などこの世にないはずだ。このような活動が政策に反映されていくことを期待したい。
(2017年6月23日掲載)
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