オピニオン

日医のジェネリック医薬品調査

 日本医師会がまとめたジェネリック医薬品(GE)に関する調査によると、GEに対して何らかの不安・不満を抱えている医師の割合は少なくないという結果が出た。「臨床現場においても必ずしもGEに対する信頼性が確立されているとはいえない」という日医のこれまでの主張を裏付ける形だ。アンケート結果は厚生労働省に報告する予定で、集計中の個別のメーカー、製品に関する情報が明らかになれば、より明確に、医師がGEに関して問題と感じている点が浮かび上がる。日医では、品質や効果に対する疑義については、「GEの認可のあり方」として捉える方向性を打ち出しており、アンケートの詳細含め、今後の展開には注目をしていきたいところだ。
 アンケートでは、「問題あり」という回答が最も多かったのが「医薬品情報提供」に関して。これは、設問に対する有効回答数の81.9%にものぼっている。これは度々指摘されてきた事項ではあるが、情報の提供回数を指すのか、あるいは提供方法、作用、薬剤の飲み合わせに関する情報なのか、対象疾患等周辺情報についてなのか、はたまたこれら全てなのか、具体的には見えてこなかった。この機会に、日医は、これらGEに関する問題といわれている点を、個別のメーカーの問題なのか、GE全体の問題なのかということも含めて、政治的な意図を絡めず、生命関連の職能団体としてより具体的に提示するべきだろう。当然、メーカーは、これら医師の声に真摯に向き合い、解決に向けて取り組まなければならない。



(2006年9月29日掲載)



前後のオピニオン

後手対応が深手に
(2006年10月13日掲載)
◆日医のジェネリック医薬品調査
(2006年9月29日掲載)
三丁目の夕日と美しい国
(2006年9月22日掲載)