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総裁選で診療報酬引き上げに言及
自民党の総裁に高市早苗氏が選出された。小泉進次郎氏が優勢とされる中、決選投票で議員票および都道府県連表がともに上回る勝利だった。
高市総裁は名古屋で行った候補者演説会において、診療報酬の改定に言及。「病院は7割が深刻な赤字、福祉施設の倒産も相次いでおり、このままでは医療が崩壊してしまう」とした上で「秋の臨時国会で補正予算を組む」「過去2年の人件費や物価高を反映し引き上げる」との意向を示している。さらに介護報酬についても「本来なら2027年が改定時期だが、こちらも同様に改定する」と発言。加えて健康診断や歯科検診の重要性について述べ「攻めの予防医療を行いたい」、イノベーションについて「先進的な医療の研究が進んでいる」「ここは官もだが、民も投資をしていくべき」と明言していた。
新総裁として初めてのコメントとなった「働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」という意向はややセンセーショナルに捉えられ、SNS上で論議を起こすこととなったが、冒頭で高市総裁は「私は約束を守ります」と断言している。診療報酬の引き上げに際しては薬価を財源とされるのか、OTC類似薬の行方は、疑問は尽きないが、総裁選中に唯一診療報酬の引き上げに言及した高市総裁の手腕に期待をしたい。
(2025年10月10日掲載)
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◆総裁選で診療報酬引き上げに言及 (2025年10月10日掲載) |
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