オピニオン

個人薬局とDgSの連携

 個人経営薬局とドラッグストアとの連携を図り、相互成長の可能性を研究する「新薬局ビジネスモデル研究会」が設立した。立ち上げたのは、日本薬剤師会の前副会長である生出泉太郎氏と前常務理事の藤原英憲氏。「日本ヘルスケア協会」(JAHI)に設置された部会・研究会の1つとして9月に正式に発足した。
 生出・藤原氏は日薬執行部に籍を置いていた当時から、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)や日本OTC医薬品協会の幹部と親交が深い。生出氏は日薬執行部の勇退後から、JACDSの宗像守事務総長とコンタクトを取り、個人薬局とドラッグストアが良好に連携する方策を模索していた。「今まで培ってきた人脈を活用して、地域住民にとって頼りになる薬局づくりに取組みたいと考えていた」と語る生出氏。当面は運営委員会を年4回開催し、生活者ニーズや連携方法、薬局の新たな経営モデルなど課題別に研究を進めていく方針だ。
 日薬とJACDSの関係は現在、薬局での薬剤師不在時のOTC薬販売問題などをきっかけに、良好とは言い難い状況にある。生出氏が立ち上げた研究会について、「いずれはドラッグストアに飲み込まれるのではないか」と冷ややかな視線を投げかける薬剤師会関係者もいる。しかし、個人薬局とドラッグストアの相互成長を促す連携は、薬局・薬剤師にとって無視できない課題でもある。生出氏は本紙に対し、「研究会は将来的な(JAHIからの)独立も視野に進めていきたい」と話しており、個人薬局とドラッグストアの新たな「橋渡し役」として期待が集まる。



(2017年9月29日掲載)



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(2017年10月6日掲載)
◆個人薬局とDgSの連携
(2017年9月29日掲載)
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(2017年9月22日掲載)