オピニオン
大手町の景観が変わる
先日、日本総合研究所が行った「消費者金融」に対するイメージ調査によると、「かなり良くなっている」が5.1%、「やや良くなっている」が42.7%という結果。5~10年前と比べ、回答者の半数近くが「良くなっている」と答えており、消費者金融に対するイメージが改善されつつあるとのこと。
消費者金融は1990年代はじめ、バブル崩壊後に急成長。93年には自動契約機が導入され、誰もが気軽に・手軽に契約できるようになり、利用者増に拍車をかけた。90年代半ばには、それまで深夜帯に限られていたテレビコマーシャルが解禁。ゴールデンタイムなど、それ以外の時間帯でも放送されるようになり、消費者金融のイメージアップに繋がったとされている。さらに最近では、東京三菱銀行グループの「DCキャッシュワン」、UFJ銀行グループの「モビット」、三井住友銀行グループの「アットローン」――など、大手銀行が消費者金融市場に参入。ひと昔前では考えられなかった状況だ。
04年度のアコム、アイフル、プロミス、武富士、大手4社の純利益を合計すると約3000億円。テレビをつければ、若い女性や動物を登場させた消費者金融のコマーシャルがひっきりなしに流れている状態にある。俗にいう「一流企業」がひしめく大手町。ふと気づけば、そのすぐ周辺には、消費者金融のビルが迫りつつあるのを皆さんご存知だろうか。
(2005年7月15日掲載)
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