オピニオン

北海道胆振東部地震と薬局・薬剤師

 9月6日未明に発生した「北海道胆振東部地震」は、北海道厚真町で最大震度7の揺れを観測し、死亡者が40人を超える大規模災害となった。特に、北海道内のほぼ全域が停電する「ブラックアウト」に陥ったことは、一般紙報道でも大きく取り上げられて問題となっている。
北海道では現在、電力負荷のピークである冬を迎えるにあたり、電力需給を勘案して節電を実施している。北海道薬剤師会の有澤賢二副会長は「冬の時期に地震が発生して北海道内全域が停電していれば、さらに深刻な二次災害が生じていたのではないか」と語る。
 誰も想定していなかった「ブラックアウト」を受けて、北海道薬の有澤副会長は「これまでに自然災害は様々な形で発生してきたが、地域性などもあり、必ずしも過去の事例と同じパターンになることはないと実感できた。そうなると、連絡体制の構築や情報収集などに関して臨機応変な対応が必要になってくる」と話す。
 今回の地震で北海道では、約1日半にわたって電力不通の生活を余儀なくされた。停電下でも薬局を開けて患者に対応していた有澤副会長は「停電下での薬局業務を行うにあたり、必要になってくるのは今までの薬局業務を通じて得た工夫と経験だ」と説明する。
 レセプトコンピューターなどの電子機器を使用できなくても、口頭や手書きで処方せん調剤業務に対応し、OTC薬や衛生用品などの供給といった役割もしっかりと果たす。自らが被災者でありながらも、1日中停電生活を余儀なくされた北海道の生活者のために、薬局を開けて対応していた北海道の薬局・薬剤師には敬意を表したい。



(2018年9月21日掲載)



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(2018年9月28日掲載)
◆北海道胆振東部地震と薬局・薬剤師
(2018年9月21日掲載)
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(2018年9月14日掲載)