オピニオン

混迷する衆院選挙の行方

 衆議院が解散し、10月22日の投開票に向けた選挙戦がスタートした。自由民主党から東京都議会の議席をかっさらった「都民ファーストの会」を立ち上げた小池百合子都知事が、今度は「希望の党」を設立し、国政選挙でも全面対決に打って出る。民進党議員が合流するとみられるのには驚いたが、いわゆる「もりかけ疑惑」隠しと指摘される臨時国会の冒頭解散といい、予想外の展開続きで何とも混迷した選挙戦になりそうだ。
 新党旋風で政局ばかりが目立っているが、政策にも注目しなければならない。選挙戦の争点は安倍晋三首相が解散の理由に掲げた消費税の使途変更と憲法改正の是非になるようだ。このうち消費税を巡っては、「全世代型の社会保障」の確立に向け、19年10月に消費税率が10%となった際の増収分を、子育て支援や教育の無償化に充てるという。18年度までの3年間で社会保障費の伸びを1.5兆円程度(年間約5000億円)に抑えるとした政府方針が今年末の予算編成で一段落するが、25年のピークに向けて高齢化はまだまだ進む。もちろん子育て支援は最重要課題のひとつだが、増税による医療の充実化を期待している関係者にとっては、やきもきする展開を迎えることになるかもしれない。
 受動喫煙対策の行方も気になる。健康増進法の改正案の年内成立は難しい見通しだが、20年の東京オリンピック・パラリンピックまで時間がない状況だったはずだ。一方で、オリパラの旗振り役になる小池都知事の出馬まで予想されている始末。せめて選挙後は国政も都政も混乱なくスタートして頂きたい。



(2017年10月6日掲載)



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(2017年10月6日掲載)
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