オピニオン

受動喫煙防止に向けた動き

 東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、競技会場がどこになるのかという報道が連日注目を集めている。一方で厚労省に目を向けると、たばこのないオリンピックを目指し、受動喫煙防止策の強化についてのたたき台が出されている。その内容は▽官公庁や社会福祉施設などは建物内禁煙▽学校や医療機関は敷地内禁煙▽飲食店等のサービス業などでは原則建物内禁煙としたうえで喫煙室の設置を可能とする――といったもの。
 患者会も動き出している。全国の肺がん患者会の連合組織である日本肺がん患者連絡会(http://www.renrakukaigi.net/r-index.html)は、肺がん啓発月間である11月に、塩崎厚労大臣および全国47都道府県知事あてに受動喫煙防止策強化の要望を提出したとのこと。受動喫煙に対する罰則付き防止法案の早期成立を要望し、各都道府県レベルでの受動喫煙防止策の一層の強化を願い出るもので、この動きは日本肺癌学会からの支持も得られたという。さらに連絡会では、ピコ太郎さんの「PPAP」のパロディで受動喫煙の啓発動画を作り、公開している。
 患者数が減れば国の医療費削減にもつながるはずだ。喫煙者に対する支援策も含め、議論が前向きになるべく早く進むよう願いたい。



(2016年12月23日掲載)



前後のオピニオン

四角い紙風船
(2017年1月13日掲載)
◆受動喫煙防止に向けた動き
(2016年12月23日掲載)
病気で振り返る2016年
(2016年12月16日掲載)