オピニオン

MRの熱意は重視されない?

 ここ数年「MRのあり方」が問わているが、日本ジェネリック製薬協会が公表した「後発医薬品の採用及び使用の課題に関する調査」でもその一端が垣間見えた。
 同調査は、医療機関及び医師に対して行ったアンケート調査で、後発医薬品の採用や使用の課題等について尋ねた内容となっている。興味深かったのは「後発医薬品を採用する際に重要視する事項」という質問。「大変重視する」事項としては、「信頼できるメーカー」が54.2%、「しっかりした供給体制」が53.5%と続いた。一方、「MRの訪問頻度」は9.4%、「MRの熱意」は8.0%にとどまったのだ。
 MRは不要ということではない。後発医薬品に関する情報収集に関しては、「MRが今まで通り医療機関に訪問するのが望ましい」が27.8%と最も多く、「MRが今まで以上に医療機関に訪問するのが望ましい」が26.7%と続いた。「後発医薬品の情報提供は不要」は、わずか2.8%にとどまっている。
 インターネットから詳細な情報を入手できる時代になったものの、医師から見れば、情報提供はMRから直接聞きたいという気持ちが示されたといえる。一方、後発医薬品の採用については、MRの業務とは関係ないところで決まることが多いということなのだろう。新薬メーカーでは、MAやMSLが情報提供を行うスタイルが増えている。医療機関は、後発医薬品メーカーに対しても、営業部門とは独立した情報提供を望んでいるのかもしれない。



(2017年6月2日掲載)



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(2017年6月9日掲載)
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(2017年6月2日掲載)
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(2017年5月15日掲載)