オピニオン
『みんななかよく』の輪
サンリオピューロランドで上演されている「ミラクルギフトパレード」が、2025年11月17日で千秋楽を迎える。同パレードは2015年より、ピューロランドの25周年を記念してスタートしたフラッグシップのパレードで、作家陣には世界をまたにかける豪華な顔ぶれが集結している。ピューロランドを象徴する“知恵の木”の下で祝福のパーティをしていたところ、孤独の暗闇で生きてきた“闇の女王”があらわれ、知恵の木の光を奪い、皆を暗闇に引きずり込もうとする。闇の女王を倒そうとする皆を遮って、「倒すなんてやめて!」と制止するハローキティ。「誰だって暗い気持ちになることがある」と女王の気持ちに寄り添い、「いちごの王様は教えてくれたわ。やさしさとおもいやりの心があれば、なかよく助け合って生きていけるって…」と皆を説得するキティちゃんの強い信念とやさしさが、皆の心を動かしていく物語だ。
「いちごの王様」とは、サンリオの創業者である辻信太郎氏を指す。辻氏は自身の戦争体験をもとに、ひとりひとりの『みんななかよく』の輪を広げるために、小さな贈り物を商品として販売する「山梨シルクセンター」(サンリオ前身)を設立した。いまでもサンリオが発刊する情報紙「いちご新聞」では「『みんななかよく』が世界平和へつながると信じている」と訴えかけている。
世界の様々なところで戦争や攻撃が起き、心が苦しくなるとき、ミラクルギフトパレードは気持ちに寄り添い、光を照らしてくれた。好きな人たちとおしゃべりし、笑い合うことができる幸せをこれからも忘れないように、最後までこのパレードを大切に見届けたい。
(2025年8月22日掲載)
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