第01回(1/3)

(2007年6月19日掲載)
ヤンセンファーマ株式会社
国府田人紀さん
     
   製薬企業の広報担当者に、自社について紹介していただくシリーズ企画の第1回目は、世界的なトータルヘルスケアカンパニーであるジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品部門を担う日本法人、ヤンセンファーマ株式会社の国府田人紀(こうだ・ひとき)さんに話をうかがいました。
     
    
 
 
ヤンセンファーマのHP(http://www.janssen.co
.jp/inforest/public/
home/)には鹿が登場している。また同社のロゴデザインも鹿がモチーフになっている。これはヤンセン博士の生まれ故郷であるベルギー・テュルンハウト付近に多くの鹿が生息していることに由来する。
 
● ヤンセンファーマについて教えてください。
国府田 当社は、世界57カ国230社余りに及ぶアメリカを本社とするジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)グループの日本における医療用医薬品事業を手がけています。J&Jというと、ベビーオイルなどの消費者向け製品を思い浮かべることが多いと思いますが、グループ総売り上げの中で最も多くを占めるのが医療用医薬品事業です。ヤンセンファーマは、海外での臨床評価が確立されているJ&Jグループの優れた新薬をいち早く日本市場へ導入することができ、またグループが持つ非常に豊富なパイプラインを有している点が強みです。患者さんにメリットが高い薬を一日でも早く届けることができるように、全社をあげて日々様々な取組みをしています。その甲斐あって、昨年は新薬ラッシュともいえる4品目もの承認を取得することが出来ました。
    
 
● 日本ではいつ頃から活動を開始したのですか?
国府田 1978年に、ベルギーに本拠を置くヤンセンファーマスーティカ社と協和発酵との合弁会社「ヤンセン協和株式会社」としてスタートしました。当時の出資比率は、60%がJ&J、40%が協和発酵となっていました。元々、ヤンセンファーマスーティカ社は日本で独自に薬を販売しており、既に100億円を越える売り上げがあったので、それならば、日本に会社を作り、幅広く販売していこうということになり、ヤンセン協和株式会社が誕生することになったのです。
 2002年には、ジョンソン・エンド・ジョンソンの100%出資のグループ会社「ヤンセンファーマ株式会社」ということで新たにスタートしました。グローバル企業にも関わらず、J&Jグループは「分権経営」という伝統があります。ヤンセンファーマもその考え方に基づき、十分な権限委譲の下で主体的に事業運営を行っています。J&J本社からの日本市場や当社への期待は高いです。今後もグローバルとの連携を密にした新薬開発体制をさらに強化し、日本市場での新薬の早期承認取得、発売を目指していきます。
    
 
 
ポール・ヤンセン博士(1926-2003)優れた研究者であった博士には、ヤンセンファーマの社員以外にも、業界内にファンを多く持つ。
 
● 「ヤンセン」という社名の由来は?
国府田 医薬品の研究開発を目的に、1953年にベルギーのベルセ市でヤンセンファーマスーティカ社を設立したポール・ヤンセン博士の名前からとられています。
 ヤンセン博士は世界に名だたる研究者で、10万以上の新規化合物を合成し、84を越える新薬を世の中に送り出しました。WTO(世界保健機構)の選定するエッセンシャル・ドラッグ(必須医薬品)にも5品目が選ばれるなど、患者さんにメリットの高い新薬をいくつも世に送り出している方です。また、博士の所有する特許は、100以上にものぼり、世界各国から22の名誉博士号を授与され、80を越える医学賞を受賞、30を越える科学機関や組織の名誉会員になっています。日本の北里研究所の名誉所員にもなっているんですよ。
    
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