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中高生10万人余の調査で、入眠困難15%、中途覚醒11%、早期覚醒6%の結果がでて、その1つ以上呈したものを「不眠」とすると、24%、つまり4人に1人というデータがある。 まさに、睡眠障害に悩む現代中高年層と全く同じ状況が、子どもたちの分野にまで浸透している様子が伺える。 自分の中高生時代をふり返ると、布団にもぐりこむと、とたんにバタンキュー、朝起こされるまで完全に熟睡状態だった。周りの友だちからもだれ1人として「眠れない」なんて声は効いたことがなかった。この半世紀の時代、社会の変遷には、ただただ驚くばかりだ。 子ども対象の、その後06年の調査でも、「寝不足だと思うか?」の問いに対し「はい」の回答が、小5で47%、中2で61%、高2で68%と、多くの子どもが寝不足・眠気を訴えている。 本来、動物が最も眠気を催す午後2時頃ならいざ知らず、午前10~12時という最も眼がらんらんと輝いていなければならない時間帯に眠気を訴えるとはなんとしたことか! 特に問題にすべきは、寝不足の原因として彼らがあげた上位に、「夜眠りたいのに眠れない」がある深刻さ。小学生では「眠れない」が1位で44%、ちなみに「勉強」は26%で3位である。高校生では「眠れない」が27%で3位、「勉強」は4位23%である。 学生なら学生らしく、せめて「勉強」のためが上位ならまだしも、日中、からだをほとんど動かさずに、専らディスプレイを見つづけていたのでは、夜、眠れなくなるのも当然だろう。 新幹線運転手の居眠り事故等では、肥満が主な発症リスクとなっているが、子どもの場合、アデノイド扁桃肥大や小顎症といった形態異常が不眠原因にからんだりしている。 最近話題の「レストレスレッグス症候群」が子どもにもあり、幼少児の稚拙な説明でもその苦悩が推定でき、夜間ビデオにより、下肢をしきりに気にする様子が伺える。 唯一、子どもらしい症状としては、「驚愕症」という一種の寝ぼけの頻度が高い。なだめようとすると、逆に興奮するので、静かに見守るしかない。 子どもの不眠治療は基本的に大人の場合と変ることはない。薬物投与はとりあえず後にして、生活習慣を正常に戻すことが何よりも優先される。
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