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今、思春期真っ盛りの女性は、間もなく迎えるであろう結婚・妊娠・出産を巡る我が国の現状を、どれだけ正しく理解しているであろうか。 少子化社会や高齢妊娠の問題点など、性に関する健康教育は十分行われているのか、はなはだ疑問である。 戦後1940年代後半には年間約270万人もの出産があり、第1次ベビーブームと言われた。その世代が結婚する1970年代前半では、年間約200万人の出産で第2次ベビーブームとなった。 だが、第3次ベビーブームは到来せず、この10年余りは年間100万人の出生で推移、以降毎年最低値低迷の少子化社会ができ上ってしまった。 根底となる原因は、なんといっても初婚年齢が毎年上昇していることにある。2013年で男性31才、女性29才の初婚という晩婚現象がすっかり確定してしまった。それにより当然晩産化が年々進んでいるのである。 さらに決定的なこととして未婚率の上昇がある。2010年で男性20%、女性11%と高率を示している。1960年時では、男女共僅か2%未満にすぎなかったのに。 専門家の予想では、2030年には男性30%、女性20%以上という、信じ難い悲しい生涯未婚率が推測されている。 高齢晩産化に伴う妊産婦の死亡率上昇は大変痛ましい。2011年までの過去10年間の累計死亡数では、出産10万対比で25才3・2、30才3・3、35才6・6と低値でも、40才で11・6と上昇、42才27・1、43才38・0、45才54・9と、特に40才を過ぎると大きく上昇する。 なお、その背景にこの数字の30倍もの障害が発生していることを厳しく認識しなくてはならない。 さて、2020年は東京オリンピックということで、ことのほか熱心に青少年がスポーツに汗を流している。 そこで大変気になるのが思春期女子の激しいトレーニングによる負の3大主徴だ。厳しい体重管理や減量などで、①エネルギー不足により②無月経になり、低エストロゲン状態が続くと、将来③骨粗鬆症につながりやすい。 女性アスリートは、そのほとんどが、晩婚、晩産の傾向が強く、思い通りに行かず苦悩する姿を見るのは、ファンとしても大変辛いものがある。
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