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女性が100人集まれば、その中には排便がスムーズにいかずに、日夜不愉快な思いを強いられている人が5人はいる。そして、男性サイドは、丁度その半数というのが、厚労省がまとめた便秘有訴率調査結果(平成22年)。 特に女性は20代といううら若き世代だけに限れば、男性の4倍以上という悩みの実態が明らかにされている。男性と率的に肩を並べることになるのは共に70代に入ってからで、それでも10人に1人は便秘の苦しみから一生抜け出せない苦労が続く。 便秘で悩んでいる人に対して「毎日決まった時間にトイレに行っているの」と助言めいたことを言っている人がいるが、ただ単純にそれだけでは不公平。 「朝食後約30分程経ってからトイレに行くように」と、具体的に習慣付けることが理にかなった指導。朝食後の腸管の蠕動亢進を利用して、医学的に効果的なタイミングで排便を促す方がより賢い。 それなのに、1日の一連のリズム作りに極めて大切な朝食を、忙しさにとり紛れて簡単に抜いてしまう人が大勢いる。 栄養学的には、朝・昼・晩の3色の比重のかけ方は、3:3:4程度が理想的とされているが、0:3:7のような異常な配分比は全く論外である。 便秘症の人は、単純に朝食をとるように基礎的な生活改善をしただけで、蠕動運動がよみがえり、排便効果が得られる突破口が開けるかも。 更に、効果的な排便姿勢として「ロダンの考える人」をベースにした便器座り方がある。まず、補助品として足台を用意する。膝を股関節より高くし、前傾して肘を膝にのせ、背筋を伸ばし、腹を膨らませて腹圧がかかるようにして排便する。 「ロダンはいったい何を考えているのか」との質問に、肛門科の専門医はこう答える。「なんとかスムースに便が出てくれないかなと、お祈りしているのさ」と。 ところで、肛門洗浄機能付きのトイレを最近はほとんどの家庭が採用しているが、専門医から言わせると「肛門周囲の皮膚を洗い過ぎると、その部分の脂分が抜け痒みの原因となる」由。ていねいに洗い過ぎないよう気を付けたい。
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