薬事ニュース社
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>>>薬ネット販売を巡る現状と展望<<<
 終始官邸サイドのペースに終わったOTC薬のインターネット販売問題。政府はネット販売を原則的に解禁する方針を閣議決定した。例外的に慎重な対応を施す、いわゆる「例外品目」は25品目に留めた。官邸サイドの意向を党側もあっさりと追認。厚生労働省も最後まで主導権を握ることなく、終始官邸サイドのペースで決着が付いた。
 その一方で、「例外品目」の確立に安堵の表情を浮かべる関係者も少なくない。ネット販売に慎重な自民党議員は「ネット販売事業者の狙いはOTC薬でなく医療用医薬品だ」と指摘。ある業界関係者も「『例外品目』を設けることで、かろうじて医療用医薬品とOTC薬との間に防波堤をつくることができた」と振り返る。
 「例外品目」は、スイッチOTC化して4年以内のOTC薬、いわゆる「スイッチ直後品目」21品目と「劇薬指定品目」の4品目。これらの品目について政府は、医療用医薬品に準じた販売方法を模索する方針だ。業界内では「例外品目」の扱いを巡り、薬事法改正で対面販売の原則を整備し、新たなリスク区分を設けるとの見方が強い。上述とは別の関係者は「ネット販売の問題がこれにより、医療用医薬品にまで波及しなくなる」とみる。ネット販売に慎重な自民党議員や日本薬剤師会は、参議院選挙後の秋の臨時国会での巻き返しを狙っている。
(2013年6月28日掲載)