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>>>分割調剤と「リフィル処方せん」<<<
 中央社会保険医療協議会は7月22日に開いた診療報酬基本問題小委員会で、残薬や多剤・重複投薬の減少を目的に、「分割調剤」の見直しと「リフィル処方せん」の導入に関する検討をスタートさせた。今後は中医協・総会に議論を移すことになるが、このうち「リフィル」に関しては、中医協委員から「時期尚早」「議論する状況にはない」などと否定的な意見が続出。議論を取り仕切る厚生労働省・保険局医療課の中井清人薬剤管理官も本紙に「分割調剤を中心に議論を深めていく」と説明するなど、導入どころか検討自体にも焦点が当たらなそうな気配を見せている。
 しかし、一方で業界関係者や厚労省関係者からは、「『分割調剤』と『リフィル』は似て非なるものだが、どちらも医師の指示の下で行われる。90日分の処方せんを30日ずつ『分割』することと、30日分の処方せんを3回使用することと、さほど違いは見られない」との声も聞かれる。ある関係者は「『リフィル』よりも『分割調剤』の方が議論は進みやすい。『リフィル』について、そこまでこだわる必要もないのではないか」と分析する。実際、中医協の議論で日医委員は「『リフィル』は医師のど真ん中の業務。できれば『分割調剤』だけの議論に留めるべきだ」と発言しており、『分割調剤』の見直しに向けた検討には、一定の理解をみせている。点数設計なども含めた今後の議論によっては、『リフィル』に似た『分割調剤』が実現する可能性もある。
(2015年8月21日掲載)