薬事ニュース社
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>>>技術革新への自信<<<
 ソニーは11月7日、世界初のグローバルシャッターを搭載した新型フルサイズミラーレスカメラ「α9Ⅲ」を発表した。同機種は最速シャッタースピード1/80000秒およびフラッシュ全速同調の機能、さらに最高約120コマ/秒の連続撮影性能などを搭載したもので、もはや「カメラ」を超える「α9」と言える新次元の機種となった。発表は23時からだったにも関わらずYouTUBEのチャット欄やSNSでは感嘆の声が溢れ、テキスト上でもわかるほどに興奮が充満していた。カメラ業界にとってまさしく「歴史が変わる一夜」となった。「α9Ⅲ」の市場価格は88万円、ソニーのフラッグシップ機である「α1」が約90万円であったことを考えるとほぼ同等の価格帯だ。この技術革新に対する同社の自信が伺える。
 医薬業界において、まさしく歴史を変えることとなったアルツハイマー病治療薬「レケンビ」に対する国の評価に注目が集まっている。11月15日の中医協は、同剤をまず通常通りの算定方法(類似薬効比較方式か原価計算方式)で算定し、補正加算も既存のルールで評価することを了承した。
 11月7日に開催されたエーザイの決算説明会で、同社の常務執行役である赤名正臣氏は「レカネマブは認知症の領域で重要な役割を果たすだろう」と胸を張り、「日本初、世界初のイノベーションをしっかり評価していただきたい」との考えを示した。まさしく同剤のイノベーションに対する評価が、今後の医薬業界を象徴することになるといって過言でない。エーザイは「レケンビ」について「年内の収載即発売を考えている」ことを公表している。間もなくその日がやってくる。
(2023年11月20日掲載)