薬事ニュース社
オピニオン

>>>新型インフルエンザ対策も速さが大切<<<
 8月16日の世界陸上ベルリン・男子100メートル決勝において、ジャマイカ出身のウサイン・ボルト選手(22)は世界新記録となる9秒58(時速換算44.6km)を樹立して初優勝した。ボルト選手の速さにも驚いたが、先日舛添要一厚生労働大臣が明らかにした新型インフルエンザの感染拡大の速さにも驚かされた。真夏にもかかわらず、すでに何千人と感染者が報告されており、これから冬に向って、患者数は増加の一途をたどることが危惧される。
 厚生労働省は、日本において5300万人分の新型インフルエンザワクチンを確保する意向を示しているが、供給を開始する10月頃には極端な品薄状態が見込まれる。また予防接種は、新型インフルエンザにより重症化するリスクが高いとされる慢性呼吸器疾患や慢性心疾患等の基礎疾患を有する人、妊娠中の人、乳幼児を優先することが良いとの意見があがっており、健常人への予防接種はその後ということになりそうだ。
 この優先順位は、感染拡大を防ぐことより、重症化、死亡者の増加を防ぐことに狙いを絞っている。舛添大臣は、夏に感染者が増加した一因として、「初めて新型インフルエンザが流行した時は、手洗いやうがい、マスクの着用など、感染予防を励行していた人が多かったが、今は少なくなっている」との見解を示した。われわれは、改めて自衛の意識を高める必要がありそうだ。
(2009年8月28日掲載)