薬事ニュース社
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>>>新型インフルエンザ対策<<<
 10月19日より、新型インフルエンザのワクチン接種が、優先接種者として位置付けられている医療従事者を対象に始まった。弱毒性とはいいつつも、患者数は依然増加傾向にあり、10月14日時点で24人の死亡が確認されるなど何やら得体の知れない脅威ばかりが大きく報道される中、ようやくその対応が始まったという印象だ。ワクチン接種の対象者は、時間の経過と共に徐々に広がっていくのであろうが、「ワクチンを打てば絶対に安全」という確証がないことは、医療関係者であれば誰もが承知している。しかしながら、小さな子どもや基礎的な疾患を持つ老人、その家族にとっては、多少なりとも安心の材料となるのかもしれない。
 となると、今後はワクチンの確保が重要になってくるが、このほど、厚生労働省の検討会において国産ワクチン臨床試験の中間報告がなされており、ワクチン1回の接種で、有効性の国際的基準であるEMEAの評価基準を満たすという結果が示された。ワクチン対策が輸入一辺倒ではなく、国内での増産体制についても一定の道筋がつけられたと言えよう。ワクチンの話ばかりしていると、いかに予防接種を受けるかということに目が向きがちではあるが、やはり、こまめに手洗い・うがいをすることや、しっかりと睡眠をとり体調を整えることが基本となる。各家庭、各職場で、この点をよく申し合わせ、万全の体制をとることが肝要だ。
(2009年10月30日掲載)