薬事ニュース社
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>>>医師不足解消の妙案!?<<<
 医学部定員増など、医師不足解消策が打ち出されているが、批判も多い。
 医学部の定員を増やしたところで、現場の医師が増えるのは数年先であるうえ、偏在解消の抜本策にはならない。医療崩壊の引き金と批判される臨床研修制度について厚生労働省は、必修を減らし研修期間を短縮する考えだ。これには、医療の質が下がるとの批判がある。また、厚労省の研究班は、第三者機関が診療科ごとに専門医の定数を策定すべしとの提言をまとめた。医師の偏在を是正するのが目的だ。研究班は、「強制的に行われるものではない」としているが、枠をはめなければ実効性は上がらない。
 最近、医師と話をしていて、話題が医師不足に及ぶと、その医師は妙案があるという。まず、医学部の定員を大幅に増やし、授業料も下げ、優秀な人材を集めやすくする。その上で、医師国家試験の合格定員をコントロールすることで現場の医師数をコントロールすれば良いというのだ。「法学部を卒業しても司法試験を受けない人もいるし、受験者の合格率は医師国試と反対に非常に低い。司法試験に落ちた人の心配を国がしますか?優秀な人が(医師に)なれば良い」と、さらに「現場の医師にも一定期間ごとに試験を受けてもらえば(質の担保に)良い」という。試験に落ちた人はどうなるかと聞くと、「医療には医師以外にも専門家は多く必要。医師の仕事はもっと(他の職種と)シェアして良い部分がある。医師を目指すも良いし、そういう部分を担ってもらうのも方法」と言う。非常に大胆な案だと思うが、いかがだろうか。
(2009年6月19日掲載)